003 / 濵野裕希

株式会社トワール 代表取締役

プロフィール

2009年
関西学院大学文学部(総合心理科学科)卒科
2012年
株式会社トワール設立
2014年
NOCC立上げ
2017年
アクセラレーションプログラムOSAP,KGSG,500 に採択
2018年
大阪府支援事業Boomingに採択
正式版NOCCBASE リリース
2019年
大阪市支援事業トップランナーに採択
2020年
UU1万人突破

心理学を活用した教育支援サービス

教育を直感から科学へ

活動概要

「人の特性や環境を科学的なデータによって定量化することで、個々に合った指導・支援方法を提供し、意思決定の助けとなる仕組みをつくる」をミッションとし、今まで指導者の経験や「直感」で行われてきた教育を、データを用いて「科学」することで、指導者・保護者・学習者が抱えている問題を解決するサービス、NOCCを提供。

Q1「現在どのような活動を行っていますか?」

 会社としては、“教育を科学する”というところを中心に今動いています。

教育を科学するとは?

 日本にいれば義務教育を受けていて、その中でみんな感じていることがあると思うんですよね。例えば、「学校に行く意味あるのか?」とか「将来どうしよう?」とか、「習い事何しよ?スポーツ何しよ?部活何しよ?」って、そういった悩み事っていっぱいあるじゃないですか。でも、それって基本、答えって無かったと思うんですよね。何を一番おもしろく感じられるかって、わからない中、みんな選んでますよね?その直感で選んでるっていうところ、そこの答えを見つけていく。

 例えば部活を選ぶ時、検査をして、「あなたに向いている部活は、1位が野球です。ここですごい成果が出せます。ただ、そこまでおもしろいと感じることはないでしょう。」とか、「成果はなかなか出ないかもしれないけども、テニスがすごいおもしろくできますよ。」とか、そういったものが出た中で、選択をする。部活だけじゃなく、習い事であってもそうですし、先生であっても、「この先生であれば、すごい楽しく授業受けられる」とか「成績が伸びる」であったりとか、そういった1つ1つの答えを、教育において出していく。それが、端的に言うと“教育を科学していく”ってことになりますね。

教育検査(能力)が変化することはありますか?

 検査は、短いもので15分あればできます。小1から受けられる検査なので、1~2時間とかではなく、15分ぐらいでしっかりと測れるような検査・内容にしています。誰でも受けられる検査で、その人がどういう人で、どういう指導をしたら良いのかっていうのが、即座に出てきます。スマホやパソコンなど、Web(ネット)につなげる環境があれば、どこでも測れるようになってます。

教育検査とは具体的にどういったものですか?

 能力は、IQとEQという大きく2つに分けられます。ほんとに専門的に言うと、EQというのは、違う呼び方があるんですけど、一般的にはIQ、EQって呼ばれています。このIQっていうのは、頭の良さ、回転のスピードとか、頭の中にどれだけ記憶できるかとかいうもので、EQというのは、性格みたいなものですね。どれだけ協調性があるか、外向きか、不安を抱えやすいかといったものです。

 まずIQというのは、10歳ぐらいまで結構変容するんですね。そこからは、ほとんど変わらずに、30歳ぐらいになると落ちてくるものもあったりします。一方EQは、40~50歳ぐらいまではずっと変動するものです。実感としてあると思うんですけど、衝撃的なことがあると、ちょっと考え方が変わったりだとかありますよね?それって、10歳でも、20歳でも、30歳でも、40歳でもあると思うんですよ。なので、そこは、結構変わったりはしますね。

Q2「あなたが考える、現在の教育業界が抱える課題や問題点は?」

 “運”になってしまっているところ。そこをずっと課題として考えていてきました。

 先生や友達が合ってなかったら、それだけで人生変わってくると思うんです。合う生徒、合う友達、合う先生に当たれば、かなり幸せな人生送れるけども、それが“運”になってしまっている。学校に行っても、適当じゃないですか?ばんっといれられて、合っているか合っていないか。先生もばーっと決められて、合っているか合っていないか。

 病気になったら、「これなら、この薬だね」と最適解が用意されていて、それによって体調が良くなったり、寿命が長くなったり、人生を豊かに過ごせる。でも教育って、みなさん多分言われることだと思うんですけど、「すごい、大切なこと」なのに直感でやっている。運に任されている。

 これっておかしくないですか?なんで誰もおかしいと思わないのかっていう話で、やっぱり、自分はそこが課題だと思っていますね。“運”に任されてしまっている。

合う・合わない以外に、先生の「差」っていうのはあると思いますか?

 先生って直感、経験を積んで、職人技になってくる。やっぱり、新人の先生にはそこ(経験)がない。ベテランの先生でも、経験だけ積んでも意味がなくて、そこから学んでいかないといけない。色んなものをみて、全部紐づけていくと、その経歴・直感・経験っていうのが、教育に活かされていく。

 その能力って端的に優劣があると言うのが難しくて、ほんとに“職人技的”な経験値、そこに対しての真摯な研究というところに結構な差があると思います。

そもそも“先生に向いていない”という結果になることもありますか?

 今後出てくるかも知れないですね。ただ、私の仮説では、どのような先生であっても、合う生徒はいるんじゃないかと。万人受けはしないけど、本当にいるんですよ!「え、その先生好きなん!?」みたいな生徒が。みんながみんな好きではないですけど、一人いたりするんです。

 そういうことを考えると、やっぱり重要なのは「ダメだ」とかではなく、その先生に合った生徒かどうかということ。というのは、一応仮説として持っています。

新任の先生が科学的なデータを基に指導したとして、越えられない壁(残ってしまう差)はありますか?

 やっぱりあると思いますね。“集団”ですね。集団ってやっぱり生き物なんですよ。

 今、私たちの検査って個人・個人なんで、「この子はこういう子だから、こういった褒め方、叱り方をしましょう」っていうのが出るんです。そこは、経験がなくても、ベテランの先生と同じように出来るんです。でも、その子がいっぱい集まってきたとき、例えば、いじめがあったとき、そこに対してどうアプローチしたら良いか、今のデータだけでは分析するのがなかなか難しいので、そこは直感、職人の方が圧倒的に対応できると思います。

 ただ、そこまでもアプローチしたいとは思っています。この集団(こういった生徒がいた集団)であれば、「こういったタイミングで、こういうことをして下さい」とか、「こういう先生が向いていますよ」とか、そこまではもっていきたいけど、現時点でその差っていうのはあると思います。集団に対して。

Q3「将来、日本の教育はどうなる(べきだ)と思いますか?」

 「どうなるべきか」っていうより、ビジョン・ミッションがあって(会社を)やっているので、「自分たちがどうしていくか」になりますが、一人一人に応じた教育がされることによって、子どもたちの可能性を最大限に活かす。子どもたちは、人生を楽しく生きられる。これは日本だけではなく、全世界が望んでいることだろうし、それを作り上げるっていうのが自分たちの目標で、そうしていきたいと思っています。

可能性を最大限に活かすとは、どのようなイメージですか?

 私は西成区というところでずっと育ってきたんですけど、西成区って、今はすごい良くなったんですけど、昔はすごい言われようやったわけですよ。でも、そこに合った子どもは絶対いるし、自分は合っていたと思うんですよね。そこじゃないと、今こんな事やってないと思うし。だから、良い・悪いじゃないと思うんです。さっきの先生の例でもそうですし、良い先生、悪い先生ではなく、“合っているか・合っていないか”だと思うんです。住む場所もあるだろうし、小学校もあるだろうし、先生の組み合わせもあるだろうし、友達もあるだろうし、塾に行くのであれば塾、習い事、色々な人生を変えるターニングポイントにおいて最適な答えがあれば良いと思います。

 その子が、もっと言えば“その周り”ですよね。親がみている世界、子どもがみている世界、周りがみている世界、以外からも選べるようにしていきたい。親が野球をやっていて、野球しか世界を知らなかったりする。野球やったらこうなる。それは知っているけれど、自分の子どもとは、やっぱり時代が違うから、今であれば、違うことをやった方が良いかもしれない。例えば、YouTuberの養成講座とか、eスポーツ1、ゲームとか、そういうのが合っているかもしれない。ほんとに子どもたちのためを思っていても、親とか先生は、自分の知っている世界からしか選べない。もっと世界は広いんだから、住む場所も、ケニアでもヨーロッパ、どこでもあるわけです。ただ、知らないから選べないんですよね。

 だから、すべてのターニングポイントにおいて、知らない世界からも、その子に合ったところを選べるようにする。そうすることによって、もちろん悲しい事もあるとは思うんですけど、みんな(子ども)が楽しく過ごせて、最終的には「楽しいね」って死んでいけるような感じは作れると思います。

そのような社会になる為に、何が必要だと思いますか?

 私たちが頑張ることですね!これは、本気で思っていて、このようなサービスやっているところって世界的にみても無いんですよ。自分はもう9年目なんですけど、9年間ずっと言い続けていて、初めの方は、こういうこと言ったら「なんか詐欺師みたいですね」とか言われたりしましたし、やっぱり、まだ伝わりきってない部分があるかと思います。自分としたら、「そう言われるってことは新しいことなんだ。当たり前を変えようとしているんだ。」と前向きには捉えています。

 自分たちしかやっていない。だから、その世界を作るために自分たちが切り拓いていくしかない。自分たちがつぶれたら、10年、20年遅れるんじゃないかって本気で思ってます。

そのような社会になる為に、障壁のようなものは何かありますか?

 初めてのことだから、そこに対する比較ができないんです。人間って、比較で全部選択していくんで、同じようなものがあったら、選択しやすいんですが…。すごい安いとか、おいしいとかだったら、「じゃあこっちにしよう」ってできるんですけど、今まで無かったものに対して、これが使えるって言われても「何ですかそれは?」って、そこから始まるんですよね。だから、そこは非常に難しいです。

 まず、使ってもらって「なるほどね」となって、そこで値段、これとちょっと比較してみましょうと、ほんと、そういった試行錯誤で、今までのものを切り替えてもらう。新しいものを入れてもらう。

 伝統っていうところで言うと、さっきの当たり前(直感)ですよね。教育現場で、そこを科学に置き換えるっていうのは、それだけで大変なことがいっぱいあるという感じです。

科学的な指導が普及したとき、先生はどのように自身の市場価値(付加価値)を高めれば良いと思いますか?

 そこは本当に大切だと思うんです。自分たちも、伝統と戦っている訳ではなく、先生でしかできないこと、職人しかできないことってあると思うんです。それこそ集団の話。

 ただ、科学の方ができることもある。科学の上に直感っていうのがあったら良いし、先生しかできないことは、絶対ある。今の医療でも、レントゲンとかCTスキャンをやって、全部機械任せかっていうと、そうではない。機械ではできないところっていうのがある。

 それが教育において何なのか、僕は、ファシリテート2だと思っています。コーチング3であったり、ファシリテート。この2つが、先生が今後やっていくべきところ。今までの生徒の対応、チュータリング4みたいな“どうやって褒めるか、どうやって叱るか”その指針は、(科学が)示してくれる。処方箋があって、この子にはこう、この子にはこうって。集団としても、何年後(3年後)には出てくる。ただ、できないのは、人と人が喋るとこなんですよ。

 AIが出てきて喋るっていうのと、先生と喋るっていうのとでは、やっぱり違う。皮膚の動きとか、やっぱり、温もりですよね。ここは、先生にしか出来ない。

 生徒の心を引き出す。ディスプレイがあるだけで、自分と違うっていう認識がでてくる。すごい人間らしい人(機械)がいても、人間には追いつかないと思うので、人と人が関わるところ。

 薬(教材や教えることなど)に関しては、そこを先生がやっていく訳じゃなく、やる気を引き出したりとか、集団の中での誘導ですよね。複雑な人間の会話を、誘導していく。今はまだ、そういう技術はないので、機械学習とかでも無理なので、先生は、10年とか20年くらいはファシリテートであったり、コーチングっていうところを身につけていくことができる。

 先生しかできないところだと思います。

SQ「最後に食べたいものは何ですか?」

 いきなり、すごい変化球きましたね!最後に食べたいごはん? これ決めてるんですよ!何が来ても答えられるように、常にそういうことばかり考えているんで。 「白ご飯、ほっけ、みそ汁」それが、自分の中では完璧、最後を締めるに値するものやと思っております。こんな最後の締めでよろしいのかどうかはわからないですけど(笑)。

※1 eスポーツ

コンピュータゲーム(ビデオゲーム)をスポーツ競技として捉える際の名称である。エレクトロニック・スポーツ (electronic sports) の略称であり、eSports、e-Sports、eスポーツ、電子競技(でんしきょうぎ)などとも表記される。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』http://ja.wikipedia.org/wiki/

 

※2 ファシリテーション

ファシリテーション(facilitation)とは、人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶよう舵取りすること。集団による問題解決、アイデア創造、教育、学習等、あらゆる知識創造活動を支援し促進していく働きを意味します。その役割を担う人がファシリテーター(facilitator)であり、会議で言えば進行役にあたります。ここはファシリテーションの基礎知識についてご紹介しています。 出典:日本ファシリテーション協会 https://www.faj.or.jp/facilitation

 

※3 コーチング 

部下やクライアントのやる気を引き出し、適切なアドバイスをすることにより、自発的な行動と問題解決を促すことをいう。コーチングのモデルとして一般によく知られているのが、GROWモデルと呼ばれているものである。これは、GOAL「目標の明確化」、REALITY「現実把握」、OPTIONS「選択肢の創造」、WILL「目標達成の意思」のそれぞれのステップで助言を行うものである。 出典:日本イーラーニングコンソシアム『用語集』https://www.elc.or.jp/keyword/detail/

 

※4 チュータリング 

チュータリングは家庭教師のように、学習に関する指導やサービスを行うことをいう。通常は、担当講師が行う採点や解説、質問への回答などの学習支援を指す。学習内容がわからないまま、指導やアドバイスが受けられないと学習者の士気は低下するが、チュータリングによって、これを防ぐことができる。メンタリングと同様に学習の継続に有効な手段と考えられている。 出典:日本イーラーニングコンソシアム『用語集』https://www.elc.or.jp/keyword/detail/

 

エデュケーターズ

お問合わせ

コンテンツやシステムに関するお問い合わせ・オファーはこちらから